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2024/03/14
One Each 隔週耳寄り情報シリーズ(その②)アメリカ大学入試の一断面です。
先週、アメリカカリフォルニア大学(University of California:UC、加州10州立大学のクループ)の2024年秋入学出願者数に関する情報公開がありました。
2024年秋入学出願者、前年比1.5%増(UC)
対前年比トランスファーも含め1.5%増で、総計25万人を超えたとのこと。1.5%増ならさほどでも、と言うわけではありません。集計はUCを構成するUCLA、UC Berkeley、UC Irvineなどの10校で重複分を除外してますので、仮に全員が10大学に出願したとすると願書の数は250万という水準です。依然として高いレベルで出願者数が維持されています。
特に2024年はトランスファー数が増えてますね。高校を卒業して即入学を目指す出願者数がほぼ横ばいに対して、トランスファーは9%ほど増えたとか。2023年から約3,500名増えて、2024年は43,543名だったようです。(こちらも重複分を除く)
また同じ報道によれば日本人を含むInternational Student の出願数(重複除く)は対前年ほぼ横ばい、2024年の出願は計33,725名でした。これから合格者数のデータが出てくると思いますが、結果の構成比がどうなっているか、興味深いところです。
規模の大きな州立大学のAdmission担当者は出願書をどう見る?
この規模になってくると、どこまできめ細かく一つ一つの願書を見てもらえるのだろうか?と気になりませんか?個々の大学別出願数はUCLAで17万超、Irvineでも15万を少々下回る規模の出願があったようです。UCに限った話ではありませんが、Admission Office のスタッフにとってはとてつもない負荷ですよね。近い将来AIが????
以前UCレベルの規模の大きな州立大学のAdmission担当者に聞いたことがありますが、「毎年一定数、誰が見ても合格するレベルにある生徒がいる、一方、誰が見ても合格水準に達していない出願者がいる、見るのはその中間に位置する生徒」、というようなことを言ってました。
その上で「まずどう願書をみてもうちの大学を強く志望しているとは思えない願書を対象から外す」とのこと。志望理由が大学の特長にマッチしていないケース、といったイメージでしょうか?
大学ごとに事情は異なるんでしょうが、大学側は特長を継続的に磨いてアピールし、その特長と志望がマッチするような出願者を期待する、期待とのマッチング度を見抜くノウハウみたいなものはそれぞれの大学に備わっているんでしょうね。そうでないと少ない人数でこの量をさばくのは簡単ではないですね。
海外大学への出願は準備と絞り込みを並行して
出願者の立場からすれば、必要条件だけに目配りするのではなく、「自分の行きたい!」をシャープにして、準備と絞り込みを並行して進め、そのうえで行きたい大学に出願する、声を届ける。
今回の報道ではInternational Student について特に触れられていませんでしたが、日本から海外の大学を目指すのは息の長い取り組みになりますね。