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2024/04/12

One Each 隔週耳寄り情報シリーズ(その③)“Elevator Pitch”(エレベーター・ピッチ)ってご存じですか?

Elevator Pitchをご存知ですか?

皆さん、Elevator Pitch って聞いたことありますか?恥ずかしながら、私自身、あまり馴染みのない表現でしたが、言わんとするところはエレベーターに乗っている間に「自己PR」とか「自社の製品、サービスとかを紹介する」、ということで、偶然乗り合わせた人に対して、極めて短時間(エレベーターに乗り合わせる時間ですから、多くても数十秒、十秒でも普通?)に伝えたいことを伝える機会のことをいいます。

Elevator Pitch のワークショップ

先日、オンラインになりますが、アメリカの企業が主催するワークショップをのぞいたときのテーマが Elevator Pitch でした。各方面の社会人(若手中心)が、例えば転職を前提とする自己PRだったり、新商品の売込みだったりをポイントの指導をうけながら実際にやってみるトレーニングでしたが、話せる時間が時間だけに苦戦する方が多かった印象です。自己紹介を含めて、初対面の人に伝えたいことを 10秒+α で伝えるのはそう簡単ではないこと、容易に想像できると思います。

ただうまくいくためのポイントがあって(そうでないとワークショップは成り立ちませんが)伝えたいことを最大3つにしぼりこむとか、事前に練習するとか、会話のゴールをどこに設定するのかとか、言われてみればその通りですが、シチュエーションをエレベーターの中と想定することで、PRする内容がワークショップの中で徐々に洗練されて行くのがわかりました。

参加者の中には、アメリカの大学のリクルーターの方もいました。日本も徐々に大学のスタッフが高校を訪問し大学の紹介をしたり、模擬授業などを高校で行うケースが増えてきていると思いますが、そうしたスタッフの方々と同じ役割をもつアメリカの大学スタッフです。その方の Elevator Pitch のポイントは、大学のタイプの紹介と大学のアイデンティティのPR、その2つでしたね。

最初は1分もかけて話してましたが、ワークショップの最後の方では20秒もかからず自己紹介を含めてPRができ、話としてはその20秒のほうが圧倒的にわかりやすかったな、と感心しました。またそれと同時に、アメリカの高校生の大学の選び方の観点(きっとそのスタッフの Elevator Pitch はその観点にミートしている筈ですから)もそういった点にあるんだ、と気づかされました。まずタイプを紹介するんですね。

アメリカ人の高校生の多くは、早くに大学以降のキャリアを見定めていて、大学のタイプ(総合大学?リベラルアーツ大学?単科大学?地域に根付く大学?等々)をまず決めて次にどの大学を選択の視野に入れるか、そんな順序で決めるんでしょうね。

日本の学生でも大学受験の面接や就職の準備に活かせる

このトレーニング、日本の高校生なら大学受験時の面接とかの準備に、大学生なら就職の準備に、社会人なら様々な局面で活かせると思いました。ワークショップになるだけのことはありましたね。短時間で周囲の方を動かすメッセージを伝える訓練、役に立つと思います。

高校生もやってみてはどうでしょう。面接とかEssayは言ってみれば自己紹介ですから、10秒で伝えきれるくらい凝縮したわかりやすいメッセージでPRできるようになるといいですね。その際、相手方の大学の勉強をして、その大学がElevator Pitch を準備するとした場合どこに重点を置くかを予想してみると、双方のポイントが Just Meet するメッセージを届けることができるかもしれませんね。

ちなみに、アメリカのリクルーターの苦労も大変なようです。大学数も多く競争も厳しいですし、カバーするエリアも広く、家を出ると長らく戻れないとか。常に移動日数+2枚のシャツを用意して出かけるそうです。移動中はレンタカーの中でランチを取ることが多く、何回かに1回は、シャツにこぼれたマヨネーズとかケチャップがついちゃうから、ということでした。