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2022/04/26

留学に必要な英語力はどのくらい?
留学前に必要な英語勉強方法とポイントを解説!

コロナ禍、国境をまたぐ人の流れは停滞、高校生、大学生の留学もその間、機会喪失を余儀なくされました。一方で、多様性への理解、ボーダーレス化に向けた備えはこれからの若者にとって必須の要件であることに変わりはなく、ビジネスにとどまらず学びの場でも日本国内の閉じた世界から外に向けて、機会を求める動きは加速されていくことと思われます。

留学への期待もアフターコロナ、その形を変えるのかもしれませんが、今後衰えることはないものと思います。こうした中、今まではどうだったか、私自身が把握している情報をお伝えし、今後どうして行くかについて、参考となるようなお話ができれば幸いです。

留学に必要な英語力とは?

「どのくらいの英語力があれば、留学できますか?」 

留学を考えている高校生、その保護者にとって、留学に必要な英語力は最大の関心事の一つ、こうした質問は「よくある質問」のうち、常に上位を占めているはずです。

で、その答えは、というと、

必要な英語力について、明確な、絶対的な基準があるようでない

というのが事実でもあり、過去10年以上にわたり高校生の長期の留学を観てきた私自身の実感でもあります。ただ当然ながら、「英語力が低くても大丈夫」ということではなく、あくまで基準の話です。

留学先のホスト校、現地の受入手配機関などでは、

  • 明確にTOEFLとかIELTSといったテストの●●点以上のスコアを受入の条件とするとか
  • アメリカの交換留学のように、「ELTIS」というテストで●●点以上のスコアが必要

といった条件を課すケースはありますが、そうしたスコアを満たさないからといって、留学ができなくなるわけでもなく、留学先を見つけ出す方途はふんだんにあるとは言えないもの残されてはいます。但し、英語力が高いほど留学先の国、地域、学校の選択肢は豊富で、有利であることは間違いありません。あくまで基準の有無といった点で話をしています。

よく「留学するなら英検2級程度の英語力は必要だね」とか、言われるケースがありますが、オーストラリアのように、英検を出願時の英語力の水準を示す指標として正式に認めているケースもあれば、アメリカでは英検2級ってどの程度?と訊かれることも多く、また交換留学の世界の外では、アメリカであってもELTISの認知はそれほど高くもなかったりして、定まった基準はあるようでない、といったところではないでしょうか。

さらには、現地のホスト校で、それなりに英語力の低い生徒をケアするような組織やスタッフが充実している場合、事前の英語力にはそれほど厳しい基準を設けることもなく、英語力以上に目的意識とか、留学生としての準備、資質といったものを重視するケースもあります。

基準がない=英語力が低くても大丈夫 ではない

しかしながら、やはり

留学前に英語力を高めていくことの重要性に異論はありません。

日本語の通用しない環境で生活し、授業で、そして課外で、英語でいろいろなことを学び、吸収していく訳ですから。それぞれ目標と時期を定めて、準備をしていくことが必要だと思います。

前述の通り、絶対的な基準はない=英語力が低くても大丈夫、では決してありません。

例外なく、現地のホスト校は英語力の高い留学生を求めています。そうでないと現地での授業、学校生活もままならないのではないか?、ホームステイを含めてうまくコミュニケーションもうまく取れないのでは?、といった危惧を払拭できず、

明確な基準を定めていないホスト校でも、最近では事前の面接(英語で)を課してくるケースも増えてきています。結果、いわゆる外部テストで一定のスコアを獲得できていたとしても、実際、面接で不合格、となるケースも出てきています。「留学したい」だけではなく、「留学したい」のであれば、それなりの準備は必要。成果を得ようとするのであれば、それなりの英語力を身につけて、留学に臨む必要があります。

日本の高校生の英語力は?

今、日本の英語教育について、改革、刷新の動きが加速していること、広く理解されていることと思います。

小学校にも英語教育が導入されましたし、中学校、高等学校では、英語で英語を教える、といった転換も進みつつあります。中学校卒業時の英語力の到達目標、高校卒業時の到達目標も定められ、まだ一気に到達というところまでは来ていないものの徐々に成果が出てきているものと理解しています。

受験英語への準備という面が先行し、相対的に「聞く力」「書く力」が弱いといった指摘もあります。そのため、英語4技能をバランスよく伸ばそうという指針も出、更には5技能目として現在はInteraction、対話力、といったものも重視されるようになってきています。
英語力の育成を通して、「批判的に思考する力」を育てる、といった新たな目標ですね。

英語能力指数、アジア29ヵ国のうち、日本は27位、下から3番目

で、日本の高校生の英語力の水準はどうなんだろう?

ということですが、その前に、高校生に限らず、国毎に英語力を比較した例えはOECDといった国際機関などのDATAは広く共有されるようになってきました。

それらのDATAによると、日本人の英語力は、アジアの中国とか韓国に劣後し、TOEFL受検者の国別平均点を見ると、GDPを基準とした日本の経済的な順位とは様相を変え、日本の順位は世界の下位グループの1国、といったところです。

TOEFLスコアランキング
出典 TOEFL iBT® Test and Score Data Summary 2019

高校生だけを取り上げて、非英語圏の国毎に英語力を比較した客観的なDATAを私自身把握していませんが、大局的に見れば、TOEFL国際比較に近いような結果になっていてもおかしくはないかな、と思っています。TOEFLの国際比較でも、日本人の「聞く力」「書く力」には、トップグループの国々と大きな乖離があるようですから。

英語力とは必ずしも直接関係しないと思いますが、コロナ前のDATAによれば、査証の発給総数からみて、総人口で日本の半分弱の韓国からアメリカに1年間以上留学している高校生は日本人留学生数よりも多く、単位当たりでいうと、倍以上の高校生がアメリカに留学しているようです。

海外の大学に出願するために必要な英語力とは?

海外大学進学に関しても、明確、かつ共通の水準が定められているかといと、そうでもない、(低いのは当然不利ですが)大学ごとに多少なりとも独自の考え方がある、というのが私の実感です。

大学も、そこにESL(非英語圏の学生を対象とした英語コース)のような機能がある場合、相対的に英語力の低い生徒でも受け入れ、英語力を学内で鍛えて、本科の生徒と同じ授業に移行するようなケースも少なくありません。ただ、ある程度の水準に達しない限り、本科の生徒にはなれませんので、ずっとESLのまま、ということも実際例は少なくありません。当然ですが、専門性も高く、達成目標も異なるわけですから、高校留学以上の英語力が要求されること、容易に想像できると思います。

大学進学ではパーソナリティや価値観も評価項目

それに加えて、大学に進学する場合、より多面的に評価される、という点も重要なポイントですね。広く知られていることになりますが、自分がどんな人間なのか、これまでどんな価値を周りに提供してきたかなど、パーソナリティに関する部分や、それまでの評定平均のようなものも重要なポイントで、それぞれの大学がそれぞれの考え方に従って重みづけをおこなって、合格者を決めているというのが普通、と言っていいかと思います。日本の高校生によくあるケースは、高校3年生になって海外大学進学を目指したものの、それまでの評定平均が低く、選択肢が狭くなって慌ててしまうということでしょうか。1年前、2面前には遡れませんから、ここは取り返しがつきません。評定も一部ですから。評定が高ければそれでOK、ということではありませんが、低ければ低いほど、不利になること自体に間違いはないわけです。

海外大学に進学したいのであれば、単に「行きたい」だけではなく、何を学びたいのか、どこで学びたいのか。目指すも目標を定め、その上で、どういう準備が必要なのか、準備期間も限られてますので、高3から、というよりはむしろ早め早めに相談、情報収集、準備をするのが肝要ですね。

ただ、英語力は高ければ高いほど有利です。十分条件というよりは、どちらかというと必要条件という捉え方でしょうけど。


留学後、英語力はどのくらい伸びる?

「留学すれば英語力、伸びますよね?」「はい」、「でどれだけ伸びますか?」「人それぞれです」、こう聞かれればこう答えるのが私の定番です。

実例をお話しします。

高校1年生の冬に、2人の高校生がほぼ同じ場所(学校は違いますが、同じ州の公立高校)に留学、1年弱、滞在しました。その2人の生徒、出発前に同じ英語の試験を受け、全くの同点、実力もほぼ互角といったところです。帰国後、その2人はまた同じ英語の試験を受けました。結果、一方の生徒は留学前のスコアから+5点、もう一方の生徒は+20点。5点と20点の差は、単に偶然、というには大きな差です。ではこの差はどこから来たのか? 2人の留学先での生活をつぶさに観てとったわけではないので、断定的なことを言うことはできませんが、この差が出た要因というか、違いを想像してみることは意味のあることだと思います。学校生活や社会との関わりの上で、英語力の伸長にも影響するような違い、例えば自分のやりたいことにマッチしていたから授業に打ち込めたとか、色々な場に積極的に出て行って、コミュニケーション力が自然と高まったとか、そんなことの積み重ねで結果的に大きく英語力が伸びた、といったこともあったかもしれません。留学先に行っただけでは英語力が格段に上がるわけではなく、期間にもよるかとは思いますが、意欲、姿勢、関心、態度、といったもののちょっとした違いの積み重ねが、結果として大きく英語力にも影響するという面は否定できないと思います。


留学前に必要な英語の勉強方法とポイントは?

これは高校生に限った話ではなく、海外の大学に進学、留学した生徒も同じだと思いますが、結構英語に自信を持って留学したものの、特に初期の段階にあって、相手の言うことが分からない、自分の意思を伝えられない、といった壁にぶつかるようです。そこで「このままじゃいけない」と思って一念発起するのでしょうけど。

また「もっと単語をやっておけばよかった」と言う留学から戻った高校生、結構多いです。前後の文脈が理解できていれば、単語の一つや二つ、分からなくても大意は汲み取れるかもしれませんが、そもそも前後の脈絡も把握しづらいのが最初の壁でしょうから、逆に単語さえわかれば言ってることが何とかわかる、そんな気持ちになるのでしょうか。また、文法的に正しいとか正しくないは横に置いといて、ピシッと単語が言えれば、何とかなる、と言った経験もあったかと思います。学校では特に読む量も多いでしょうし、当然考える量も多くなっってくる、さらにはそれを英語で伝えなければならない、となると行けば何とかなるという精神論だけでは心もとないですね。これをやれば絶対大丈夫というゴールデン・ルートがあるわけではなく、個人差もあるでしょうから、

「私はリスニングが弱いからリスニングやろう」とか、
「やはり単語」とか、

自分で必要だと思ったポイントに焦点を置いて、進めるのがいいかと思います

大学に進学する、大学時代に留学するとなるとまた事情も変わってくると思います。英語力も上げたいと思っていると思いますが、目標はさらにその先にあるはず。英語の授業を受けに行って目標達成ではなく、英語で学び、考え、キャリアを見据えて専門性を高めていくことになるでしょうから、そのための準備については、中身も水準も変わってくることと思います。

冒頭で、留学前の英語力は高ければ高いほどいい、と言うような話をしましたが、どこに焦点を当ててどう伸ばして準備していくのか、出発までに到達目標を明らかにして、それまでのプロセスを一度考えてみてみるのはいいことだと思います。経験者からのアドバイスもふんだんにと取れます。また行きたい高校、大学も多くの関連情報を発信しています。色々と情報を集めて、納得のいく自分なりの方法を考え、実践してください。


Online Programで学びを始めよう

留学準備の話をしましたが、目標を定めプロセスを想定すれば、良質のコンテンツは沢山ありますので、OnlineでもOff-lineでも、あとは自分に合ったものを選び、実践していくのがいいですね。

自律性をもって取り組めばOnline Programは有効

コロナでOnlineもごくごく普通のスタイルになり違和感なくなってきてるでしょうから、自分でスケジュールを組んで取り組めるOnlineにもメリットは沢山あると認識されつつあると思います。ただそうではあるからこそ、自律的な取り組みというか、人任せにしない意識は必要ですね。いつでもできる、と思って、安心していると、結局放置しっぱなし、ということもあり得ますし。

また、留学や進学の準備というと、軽く考えるケースも多く、片手間で進めて後で後悔する、といったようなことにもなりかねません。毎日学校に通う、週に一度は必ず塾に行く、とは異なるルーティンとかを自分自身で固めていかなければ、継続的な中身のある準備はできないかもしれません。

ペース作りとか継続しやすさとか、Online自体もシステム的にかなり洗練されてきました。Learning Management Systemと言われる学習基盤系のソフトウェアも無料のものも含めてかなり使い勝手が上がってきてますし、Instructorとのつながり、他の受講生とのつながりなど、対面との比較の上でデメリットと認識されていたコミュニケーションもシステムを介して実際に行われるようになってきました。費用面でのメリットを考えると、対面でないとダメ、ということではなく、双方のいいところを念頭に、自分に合った物を選択することができる時代になってきていると思います。

大学進学を見据えたWayland Academy Online

waylandacademy

Wayland Academy Onlineは、「高校生が留学の準備をするため」というよりは、海外の大学で学ぶ、その準備を整えるということもゴールの一つに定め、提供されるものです。Onlineと手段は違えど、現地の学校に通っている生徒と同じものを学ぶわけですからACADEMICな面での達成目標は現地の通学生と同じ。Wayland Academyが提供するLiberal Arts系の教育に触れ、以降の成長にも役立つ教養を身につけてもらいます。併せて、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ転換、考えの組み立て方とか表現のあり方といった、高度な学びに分野を問わず役立つ力の習得も目指しています。「高校留学の準備というよりも」、と言ったのはこの点にあり、もう一段高いレベルでの準備に位置付けています。留学から戻ってきた生徒もその力をさらにステップアップする、そんなアプローチで取り組んでもらえればうれしいですね。

サポート面でも技術の進歩に歩調を合わせ、高校生でも継続して取り組めるよう、工夫と支援体制を整えています。何かあれば24時間必ず支援を求められる、ここは大事なポイントだと思いますし、逆にOnlineならでは、かもしれません。


まとめ「計画して実践、準備する、がやはり物を言う」

ICTの進歩もあって、良質な教育に世界どこからでもアクセスできる時代がやってきました。「何を(What)」だけではなく、「どうやって(How)」に関しても、自分でデザインして取り組めるようになりました。こうした環境面での進化を活かす上でも、しっかりと目標を定め、その目標に到達するまでの道筋を計画し、自分に合った手段を選択する、当然のことですが重要ですね。5年〜10年のスパンは長すぎるかもしれませんが、少し、時間軸を長く取ることを意識して色々と考えてみることはお薦めだと思います。

「留学するのにどれだけの英語力が必要ですか?」 この問いに対して答えるということでコラムを描き始め、絶体的な基準はないけど高いに越したことはない、というような話からスタートしました。でも何らかの目的があって留学するとしたらその先の目標を考えた時、どういうステップを踏まえてその目標に到達するか、ぼんやりとでも考えてみるのはいいことだと思います。デザインする環境は整ってきましたから、目標とステップに従って、より自分なりのフィット感の高い選択ができるといいですね。フィット感が高ければ、きっと楽しく進められ、成果も出やすくなるんでしょうね。